前回のインフルネタに絡んで,このタイミングで,もう一つ似たような感染症ネタの小説を読んでいたのを書き忘れてました。
いまドラマでやってる安積班シリーズで,半夏生と花水木が未読だったので,SXMへの旅行中に読んでました。このうち半夏生が感染症を使ったバイオテロネタだったのです。感染列島はインフルエンザを意識して観たんですけど,こっちはそんな気もなく,読んでみたらぉぃぉぃな感じで。
要するに,身元が分かるものを持たずに倒れたアラブ人が高熱を発して町中で倒れて死亡。「ひょっとしてバイオテロじゃね?」ということで公安やら各省庁が動き出して大騒ぎ。真相はいかに?っていうストーリー。いま日本で起きてる事態は厚労省が完全に仕切れるような状況ですが,小説はバイオテロの疑いということで省庁間のやりくりもあって,より事態は複雑に描かれています。
ただ,「冷静に対処してください」といってる人が,少し冷静さを欠いてるんじゃいないだろうか?って思ってしまうあたりは,小説の内容といま現実に起きてることの共通点のような気がしました。日本人の体質というよりは,日本の行政の伝統なのかも知れません。
ちなみにドラマのハンチョウですが,それなりに楽しく観ています。
ただ,原作を久々に読んでみると,やっぱりドラマ版はデフォルメが効き過ぎてる感じがしてしまいます。何が一番不自然なのかと思ってたんですが,どうも安積さんがいい人過ぎるんじゃないかなぁと。
例えば,ドラマ版では離婚したという設定を小説から引き継いでるんですけど,あのキャラクタだと離婚に至る経緯を小説を一致させにくいし,娘と自然に会い過ぎてるあたりも気になって仕方ありません。原作だと基本は真が通ってるけど内面は実は凄く人間的っていう,テレビドラマでは表現しにくいキャラクタなだけに,中途半端に設定だけ引き継いでることで,単なる不思議な人になってしまってるんじゃないでしょうか。
今野さんの作品のなかでも安積班とか樋口顕シリーズはそういう内面の人間的な部分を実感しつつ面白く読む小説だと思ってるので,こういう風に”分かりやすく”アレンジされてしまうと,どうにも納得できない部分が……。今野さん作品なら,(以前のブログで書いたと思うんですけど)やっぱりSPシリーズのほうがテレビドラマ向きだと思うんですよね。むしろ,これはテレビドラマなり映画なりで観てみたいと思うぐらいで。

